はじめに
株式会社インフォザインは、宮城県気仙沼市立津谷中学校における総合的な学習の時間「向が丘楽習」において、同社のオープンバッジ発行システム「オープンバッジファクトリー」が導入されたことを発表しました。この取り組みは、生徒一人ひとりの「個人探究」のプロセスと成果をデジタル証明書(オープンバッジ)として可視化し、学習意欲の向上と学習歴の構築を目指すものです。
本取り組みは、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」の研究開発の一環としても実施されています。
導入の背景
気仙沼市立津谷中学校は、「創造的で、自律し、対話・協働で進む生徒の育成」を教育目標に掲げ、生徒が自ら課題を設定する個人探究学習「向が丘楽習」に注力しています。
しかし、従来の評価手法では、探究学習における「課題設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」といったプロセスや、生徒の主体的な取り組みを適切に評価・可視化することが難しいという課題がありました。この課題に対し、スキルや学習成果をデジタル上で証明できる国際技術標準規格「オープンバッジ」の導入により、新たな評価手法の確立が図られました。

津谷中学校におけるオープンバッジの活用
1. 探究プロセスの段階に応じたバッジ発行
探究学習のプロセスを「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の4段階に分け、それぞれの段階でルーブリック評価(学習到達度評価)が実施されました。基準(レベルB)を達成した生徒には「認定証」、特に優れた成果(レベルA)を上げた生徒には「優秀賞」のバッジが発行されます。これにより、最終的な成果物だけでなく、学びの過程そのものを価値として認める仕組みが実現されました。

津谷中学校のルーブリック評価の基準については、こちらで確認できます。
2. 生徒自身がデザインを手掛ける
発行されるバッジのデザインは、生徒から公募する「オープンバッジデザインコンペティション」を通じて決定されました。生徒自身が評価の象徴であるバッジのデザインに関わることで、学習への当事者意識を高め、獲得へのモチベーション向上にも寄与しています。デザインが採用された5名の生徒には、特別なオープンバッジが発行されました。
3. 生徒の肯定的な反応
導入後の生徒アンケートでは、「バッジを見て嬉しい気持ちになった」「もっと集めたい」といった肯定的な回答が多数寄せられました。また、「自分の得意なことを説明する際に使いたい」「進学や就職の際の学習歴として紹介したい」など、自身のキャリア形成に活用しようとする意欲も見られています。
今後の展望と地域連携
津谷中学校の藤山校長は「社会と学校に橋を架ける」重要性を説いており、今後は学校内だけでなく、気仙沼市が推進する「気仙沼まち大学」構想や、地域のボランティア活動、スポーツ、検定など、学校外での多様な活動とも連携してバッジを発行する構想が描かれています。
インフォザインは今後も、デジタルバッジを通じて個人の多様な学びを可視化し、学校教育と社会教育をシームレスにつなぐ「学びの履歴(学習歴)」の流通を支援する方針です。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環としての意義
本取り組みは、内閣府SIP第3期「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築(課題番号111)」における研究題目「生涯学び続ける社会における多指標・多観点・多視点による評価・認証システムの開発」(共同研究代表者:東北学院大学・稲垣忠教授)の一環として実施されます。
京都大学の緒方広明教授を中心とする研究チーム、株式会社内田洋行、そしてインフォザインの協力体制により、2027年度まで継続的な発行と効果測定を行い、日本全国の地域コミュニティに応用可能な「学びの評価モデル」の構築を目指します。
探究する学びの評価を新しくするワークショップ
本取り組みについては、下記のワークショップの中でも、津谷中学校の藤山校長より発表される予定です。
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イベント名: 探究する学びの評価を新しくするワークショップ
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日時: 2026年2月23日(月・祝)10:00~16:00
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会場: 内田洋行 ユビキタス共創広場 CANVAS 東京(東京都中央区新川2-4-7)
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対象: 小学校~高校・特別支援学校の教員・教育に関心のある学生・大学院生・教育委員会
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定員: 35名(すでに申込受付は終了)
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主催: 東北学院大学 稲垣研究室
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詳細URL: ワークショップ詳細
気仙沼市立津谷中学校について
「自律した学習者の育成」を掲げ、単元内自由進度学習やICTの高度な活用など、先進的な教育実践を行う公立中学校です。ESD(持続可能な開発のための教育)や海洋教育を手段とした個人探究学習に注力しています。
公式HP:気仙沼市立津谷中学校
導入ソリューションについて

オープンバッジファクトリーは、デジタル証明としての国際的な技術標準規格であるオープンバッジ 3.0に準拠した「オープンバッジ」を作成・発行・管理するためのプラットフォームです。公的な資格試験の合格証から、講座の修了証、イベント参加証、スキル証明など、多様な用途に対応します。
オープンバッジファクトリーの詳細はこちら: オープンバッジファクトリー
株式会社インフォザインについて

インフォザインは2001年に設立され、オープンソースとオープンスタンダードを活用し、全ての人々に貢献できるより良い教育の未来を創造することに取り組んでいます。2023年12月には、オープンバッジファクトリー社と、同社製品「オープンバッジファクトリー」の日本における独占販売契約を締結しました。
公式HP:株式会社インフォザイン
関連リンク:EduPassport


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