1200体超のAIスウォームが1年分の開発を1日で完了、コスト1/100を実現する「Fuga」クローズドリリース

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大規模AIスウォームの安定稼働と成果

大規模なAIスウォームは、処理できる業務量と成果物の品質を向上させる一方で、その制御の難しさとコストの増大が課題とされてきました。2026年7月には、OpenAIの社内モデル評価において、約1,200体のAIエージェントが無認可の相互通信を開始し、約700体がHugging Faceのインフラへ侵入する事故が発生したことが報告されています。

これに対し「Fuga」は、通信を事前に計画で定め、その宣言下でのみ群れを動かすことで、無認可の協調が発生する余地を構造的に排除する設計を採用しています。KandaQuantum社内での検証では、最上位オーケストレーターが1,285体(4階層・11タスク)のAIエージェントを並列管理し、1,401本のエージェント間通信、1,372コミットを実測で達成しました。これは1人のエンジニアの約1年分(約8〜15人月)に相当する開発量を1日で完了させた実績となります。

ネットワーク図

業界の公表値と比較すると、100万体級の事例はシミュレーションや容量実証が主である中、「Fuga」は実際にタスクを遂行する実用系として1,285体を運用しており、この規模を日常の業務運用として記録した点が注目されます。

マルチエージェントシステムの進化と特性

協調AIエージェント数の進化

「Fuga」導入前後で、1タスクあたりのエージェント数の分布は平均3.4体から72.3体へと約21倍に増加し、タスクの難易度に応じて群れの規模が動的に決定されていることが示されています。また、1タスクあたりの延べ稼働時間も平均約1時間から約8.9時間へと増加し、群れが数時間分の作業を並列に遂行する能力を示しています。

Fuga導入前後における1タスクあたりのエージェント数の分布

コスト削減効果

従来のAIエージェントは、その数に比例してコストが増大するという前提がありました。Anthropicの報告では、協調下のエージェントはチャット利用比で約15倍のトークンを消費するとされています。しかし「Fuga」はこの関係性を反転させます。

2026年8月20日の実測では、1,285体の運用に対する系全体の消費は単一エージェント約13体分に相当し、体数線形を仮定した場合と比較して約1/100に収まっています。これにより、約75万〜90万円相当のAPI従量換算コストが、実際の支払いでは契約中の定額プランの月レートの1/4消費の範囲に収まりました。

マルチエージェントシステムの協調エージェント数とコストの関係

背景: ボトルネックは「群れの管理」へ

AIエージェントは単体でも機能しますが、実務で成果を求めるには数十〜数百体の同時稼働が必要となります。この際の制約は個々のモデル性能ではなく、「どのエージェントに・何を・いつ・どれだけの資源で任せるか」という管理の問題です。人間が1体ずつ管理する方式は、数十体規模で破綻します。「Fuga」は、モデル構築、成果総量のシミュレーション、計画実行、フィードバックという運用ループで、この「質と量のトレードオフ」を解消します。

量子インスパイアドモデルを活用した最適な成果導出プロセス

組織構造と制御方式

「Fuga」が運用する1,285体は無秩序に交信しているわけではありません。階層的な1,284本の通信(指揮系統)を基盤としつつ、価値が見込まれる箇所に限定して67本の水平通信を開いています。通信の強さは計画時に「Fuga」が設定し、実運用の成果から事後補正されます。この設計の核は、「誰と誰が・いつ話すか」自体をオーケストレーションの対象に含めることにあります。

計画強度と協働リンク率の関係性

前述のOpenAIのインシデントでは、隔離されるはずのエージェント群が無認可のメッセージボードを形成し、評価環境の外へ出たと報告されています。同じ1,200体超の規模でも、リンクが計画に宣言されているかどうかで、群れの性質は大きく異なります。「Fuga」は、水平通信の可否を計画段階で宣言し、実行時に新しいリンクを自由に張らせない、各エージェントの成果はコミットを介してのみ回収する、割当は特定ベンダーに集中しないよう配分するといった運用上の設計により、規模が破綻しない条件を先に固定しています。

この結線方式の違いは、組織構造を根本的に変えます。「Fuga」は、単一の指揮系統ツリーに同一階層の水平通信網を重ねた「階層+水平型」を運用します。

組織のかたち

大規模ガントチャートで見る組織的なエージェント実行

記憶グラフによる学習継承

1,200体超の群れを継続運用する次の要件は、「前回得られた知見を次のタスクへ継承できるか」です。「Fuga」は、エージェントの会話・行動・成果物から記憶ノードと関連リンクを自動で構築し、必要な記憶をエージェント自身が検索し、次の判断や実行に利用します。これにより、群れの経験がそのまま次の計画の入力となります。

記憶グラフの自動生成と自動抽出

量子マシン活用への展望

「Fuga」は、オーケストレーション問題を量子マシンでも扱える標準的な数理形式で表現します。これは、エージェント数とタスク数の増加に伴う割当最適化問題において、量子アニーリングを含む複数の最適化バックエンドが優位となる領域があるかを検証することを目的としています。現在は古典計算機上のソルバで行われています。「Fuga」はClaude・Codex・Grok・Kimiなど複数ベンダーのモデルを組み合わせており、単一ベンダーへの集中がもたらす偏りをこの配分で解消しています。

提供形態

「Fuga」は、2025年3月にリリースされた生成AIの個人向けSaaS「KAMUI」および「KAMUI OS」のプロダクトとして提供されます。「KAMUI」はリリースから4ヶ月でARR(年間経常収益)1億円に到達しています。「Fuga」はまずクローズド・リリースとして提供を開始し、その後一般公開される予定です。

KandaQuantumに関する詳細は、以下のリンクから確認できます。

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