包括連携協定の背景と目的
福井県では、探究的な学びや協働的な授業研究の文化が根付いており、福井大学は長年にわたり教員養成や現職教員研修、附属義務教育学校での実践研究を通じてこの教育を支えてきました。内田洋行と福井大学はこれまで、附属義務教育学校におけるICT学習環境の整備や、クロスアポイントメント協定による人的連携を進めています。
本協定は、この連携をさらに発展させ、次期学習指導要領を見据えた協働探究型・課題解決型の教育プログラムの高度化、教育データやAIを活用した新たなアセスメント手法の研究、および教員養成・研修に共同で取り組むことを目的としています。学ぶ場、学び方、評価を一体で捉えた新たな教育モデルを福井から創出し、全国への展開を目指します。
包括連携協定の主な内容
本協定に基づき、以下の項目で連携を推進します。
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先端教育プログラムの開発、実践及び評価
附属義務教育学校をフィールドに、STEAM教育やプログラミング教育を含む先端的な教育プログラム、教材、指導方法の開発・実証・評価を行います。次期学習指導要領に向けた協働探究型の教育プログラム、教材、指導方法の実践研究を進め、その成果を教員養成や教育現場へ普及・展開します。 -
教育データの利活用及び教育評価手法の高度化
両者が培った学力調査や教育評価の知見を活かし、資質・能力を多面的に捉える評価指標や問題の開発に取り組みます。CBTやAIを活用した調査・評価手法の研究・実証を進め、学習者の資質・能力をより的確に捉え、指導改善や学習支援に繋がる教育データの利活用を推進します。 -
次世代の教育・学習環境の構築及びその活用方法の実証
ICTやAIを活用した次世代の教育・学習環境を構築・検証し、その環境を効果的に活用する指導方法を実証します。その成果を地域へ普及・展開します。 -
共同研究成果の検証及び発信
共同研究の成果について学術的・実践的な効果を検証し、国内外への情報発信や教育現場への普及・展開を推進します。 -
その他、本協定の目的を達成するために必要と認める事項
これまでの連携実績
本協定では、これまでに整備された学習空間などの実績が、今後の研究の実証基盤として活用されます。
附属義務教育学校 探究的・協働的な学びを支えるプロジェクトルームの整備
2023年度の後期課程校舎改修では、内田洋行のノウハウを活かし、「楪(ゆずりは)」「暁(あかつき)」「畷(なわて)」の3つのプロジェクトルームが整備されました。

- 楪(ゆずりは): 旧理科室を改修し、9台のラウンドテーブル型実験台と複数のマルチスクリーンを配置。グループ実験や発表形式、セッションなど多様な学習に対応します。

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暁(あかつき): 実験設備を壁面に集約し、中央部を自由に使えるフレキシブルな教室空間です。最大100人を収容可能で、可動式のデスクとチェアを組み替えることで、実験、グループディスカッション、成果発表に対応します。
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畷(なわて): 可動式のファニチャーを組み替えることで、少人数のグループ活動から発表、講演、オンライン会議、交流活動まで幅広く対応する多目的なプロジェクトルームです。
次世代の教育モデルを支える学習者用端末環境の整備
NEXT GIGAに対応するため、前期課程に410台、後期課程に449台、計859台の学習者用iPadが整備されました。内田洋行は端末利用環境の設計・構築から運用までを支援し、これらの端末は日常の学習データ利活用や学力調査、デジタル技術を用いた教育アセスメントに活用され、指導改善や学習支援に繋げられます。
9年間の一貫教育と教員同士の協働を支えるフリーアドレス制の合同職員室
前期課程と後期課程の校舎をつなぐ中央棟1階に、合同職員室が整備されました。1年生から9年生までの教員が同じ空間で働き、座席を固定しないフリーアドレス制を導入することで、課程や教科を越えた情報共有や授業づくりのアイデア交換を促進し、9年間を見通した教育を教員が共に考える「協働の場」を実現しています。

福井大学総合教職開発本部におけるSTEAM教室の整備
福井大学総合教職開発本部では、情報技術とものづくりを組み合わせたSTEAM教育の実践・研究環境が整備されました。この環境にはICT機器に加え、レーザーカッターなどのデジタル工作機器が導入されており、教員養成、現職教員研修、地域の教育ニーズに対応した実践研究に活用されています。

両者について
福井大学
1873年創立の福井師範学校などを前身とし、1949年に新制国立大学として発足しました。現在は教育学部、工学部、医学部、国際地域学部の4学部からなる総合大学として、「社会を共に創り、未来を切り拓く『社会共創大学』」を目指しています。文部科学省の「教員養成フラッグシップ大学」に全国唯一の総合大学として指定され、次世代の教員養成を牽引しています。国立大学における就職率は19年連続第1位を誇ります(複数学部を有する卒業生1,000人以上の国立大学において/2026年8月現在)。
内田洋行
2025年に創業115年を迎える内田洋行は、1998年に内田洋行教育総合研究所を設置し、文部科学省や大学との共同研究に取り組んできました。全国で1,000校を超える学校に未来の学習空間「Future Class Room」を構築しています。また、全国学力・学習状況調査などを通じて教育データの収集・分析・可視化に取り組み、教育アセスメントの実践を重ねています。CBTプラットフォーム「TAO」を提供するルクセンブルクのOAT社をグループ会社に持ち、教育データを活用した新たな教育評価の実現を推進しています。「TAO」は2025年のOECDのPISA調査にも採用され、106の国と地域で利用されています。


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