Plus Wとパキスタン ギルギット・バルティスタン州政府がIT人材交流でMOU締結

EdTech

MOU締結の背景と目的

Plus W株式会社は国内外で人材事業を展開しており、特にパキスタンでの海外事業を活発化させています。パキスタンは年間約2万人のITエンジニアを輩出し、世界第5位の人口と中央年齢24.1歳という若い人口構成が特徴です。日本におけるITエンジニア不足を背景に、同国との連携は重要であると認識されています。

2023年5月5日には、ギルギット・バルティスタン州政府(以下、GB州政府)のカリッド・クルシード州知事および情報技術局の関係者と、Plus W株式会社の代表および海外事業メンバーがパキスタンのギルギット・バルティスタン ハウスに集まり、締結式が執り行われました。

Plus W株式会社は、2023年1月にパキスタン政府投資庁(BOI)の機会を得て、IT教育に注力しているGB州政府との接点を持ちました。米国や中国が先行してGB州に投資し、人材・文化交流を推進する中で、日本からの提案も期待されていたとのことです。両者の思いが具現化する第一歩として、今回のMOU締結に至りました。

贈呈式の様子

会議風景

ギルギット・バルティスタン州政府との連携理由

GB州はパキスタンの北部に位置し、近年は観光資源が豊富であることから注目を集めています。しかし、首都と比較して情報格差などにより十分な就労環境が整っているとはいえない現状もあります。この課題を解決するため、GB州は近年、様々なIT施策に注力しています。

具体的には、パキスタン国内トップの国立科学技術大学(NUST)と連携し、AI、データサイエンス、ブロックチェーンなどの先端IT技術を学ぶ青少年能力開発プログラムをスタートさせました。また、州内にあるカラコルム国際大学(KIU)とバルティスタン大学(BU)では、情報技術やコンピューターサイエンスを含むコースを提供し、ITスキルの高い学生の育成に力を入れています。

さらに、2つのソフトウェアテクノロジーパークを設立し、20社以上のIT企業に無料のインターネット環境やオフィス設備、コワーキングスペースを提供することで、GB州内のITスタートアップ企業への支援も積極的に行っています。GB州全体では約3,500名のITエンジニアが活躍しており、今後その数は右肩上がりに高まると予想されています。

今後の展開

この締結を機に、Plus W株式会社は主に以下の4つの活動を推進する計画です。

  • 日本企業とGB州IT人材とのマッチング

  • ITワークショップの提供

  • 日本語/日本文化習得プログラムの提供

  • 日本文化啓蒙イベントの開催

  • 日本企業とGB州IT人材とのマッチング:日本企業からの人材要件に基づき、GB州在住のIT人材をマッチングし、日本での就職やインターンシップの機会を提供します。2023年6月には、パキスタンのITエンジニア2名が日本に移住し、長崎のIT企業で受け入れられる予定です。

  • ITワークショップの提供:GB州内のカラコルム国際大学とバルティスタン大学と連携し、最新のIT動向や先端技術(AI/Data Science/IoT等)について学べる講座を展開します。Plus W株式会社は昨年度、経済産業省所管のAOTSよりITワークショップを寄付講座事業として採択されており、年間500名を超える生徒に講座を提供してきました。講師には日本のIT企業所属のCEOクラスや第一線で活躍するITエンジニアを招き、2023年9月開始を目指して計画が進められています。

  • 日本語/日本文化習得プログラムの提供:四国大学と提携して開発した、IT人材向けのPlus W独自のプログラムを提供します。日本企業に就職する上で必要な日本語力や、翻訳などのコミュニケーションツールの活用術の習得を支援し、スムーズな日本企業での就労を後押しします。このプログラムは、ITワークショップと並行して今秋以降に提供開始が予定されています。

  • 日本文化啓蒙イベントの開催:パキスタンの人々にとって、日本の認知度はまだ低い状況です。日本のIT企業の取り組み事例や日本文化に関する情報にアクセスできる機会を提供し、日本企業への就労や日本文化を学ぶことに興味を持ってもらうことを目指します。第1回目は今夏に開催し、継続的に取り組みを進める計画です。

これらの活動を通じ、GB州内の大学や各機関とも連携しながら、より具体的なアクションプランを策定し実行していく予定です。

ギルギット・バルティスタン州政府について

パキスタンの国章

ギルギット・バルティスタン州政府は、パキスタンの北部に位置する地方都市の行政機関です。近年、日本アニメーション作品に登場する風景の元となった場所として注目され、観光地としても人気を集めています。現在、政府は地域住民の生活水準向上、経済成長、観光産業成長という3本柱の政策に取り組んでおり、公共サービスの管理、インフラ開発、法整備などを積極的に行っています。

これに加え、地域のITインフラの改善とIT産業の成長戦略に力を入れ、技術特区(STZ)として国から承認も受けています。具体的には、GB州政府の情報技術局での採用強化、GB情報技術委員会の法律と規則の制定、ギルギット地区における青少年向けデジタルトレーニング(延べ120名以上受講)開催、ITスタートアップを対象とした最大300万円のソフトローン提供(フェーズIで29社のIT企業融資を承認)、ギルギット・ギゼル・フンザ・ディアマー地区でのソフトウェアテクノロジーパーク設立、若者向けAI/データサイエンス及びブロックチェーン等のデジタルスキルトレーニングの提供など、多岐にわたる取り組みを行っています。同時に、政府業務の電子化を進めるプロジェクトが開発されており、今後詳細が公開され運用が開始となる予定で、様々な側面においてIT化が加速することが期待されています。

関係者からのコメント

ギルギット・バルティスタン州知事 カリッド・クルシード氏

カリッド・クルシード州知事

「ギルギット・バルティスタン政府は、あらゆる政策を通して人的資本に投資し、優秀な人材の輩出に注力しています。この提携を機に、Plus WにはIT分野の教育発展に寄与いただき、GB州のIT人材の認知を日本のみならず、世界に広げてくれることを期待しています。」

投資庁連邦大臣 チョードリー・サリク・フセイン氏

チョードリー・サリク・フセイン連邦大臣

「この提携を通じて、ギルギット・バルティスタン州政府のIT分野での取り組みをさらに加速させ、GB州の人材の教育・雇用の機会をさらに拡大できることを嬉しく思います。この取り組みは、地方の優秀なITエンジニアや学生が日本企業で働く絶好の機会となり、両国の発展につながります。Plus Wにはこれまでの経験を活かし、パキスタンと日本の架け橋としてギルギット・バルティスタン州政府との深い関係を築いていただきたいと願っております。」

Plus W株式会社 海外事業部 シニアマネージャー 兼 日パ人材交流センター センター長 林 完伍氏

林 完伍氏

林氏は大手通信事業者でグローバル企業の法人営業を担当後、ITスタートアップ数社で新規顧客開拓や運用支援、契約交渉等に携わりました。2022年にPlus W株式会社に参画し、パキスタントップの国立科学技術大学(NUST)とのMOA締結を機に、首都イスラマバードにて日パ人材交流センターのセンター長として、NUSTキャンパス内での拠点立ち上げ及び運営を統括しています。現在はイスラマバードだけでなく、カラチやラホール等を含めたパキスタン主要都市の大学やIT企業とのアライアンスを推進し、パキスタンにおける日本企業の活動の架け橋として尽力しています。

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