東京大学発commissure、人の作業をロボット学習データに変える「UMIデータ取得サービス」を提供開始

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サービス提供の背景

ロボットによる自動化を検討する企業では、機体やモデルを選定する前に、対象作業のどの情報をデータとして捉えるかを決定する必要があります。作業者の視点、手先の軌跡、道具や対象物との位置関係、グリッパーの開閉といった情報が網羅されていなければ、学習用データの取得方法や実装後の評価条件を定めることが困難です。

従来のテレオペレーションによるデータ取得では、ロボット本体、遠隔操作環境、現場への設置を先行して準備する必要がありました。UMI(Universal Manipulation Interface)は、カメラを備えた手持ち型グリッパーを使用し、人の作業デモンストレーションからデータを収集する研究フレームワークとして、2024年にStanford University、Columbia University、Toyota Research Instituteの研究チームによって発表されています。

commissureは、東京大学で培った触覚・身体情報学の研究知見と、企業のロボティクス導入支援で得た経験に基づき、UMIを活用した計測を企業向けサービスとして提供します。これにより、対象工程の選定からデータの品質確認までを一つの支援範囲にまとめ、企業が次の実装判断へ進める状態を構築します。

「UMIデータ取得サービス」の特長

  1. ロボットを設置する前の現場計測
    携帯型のUMIデバイスを使用し、作業者が普段行っている動作を現場で計測します。大型のロボットや遠隔操作設備を先行して設置することなく、作業環境、対象物、道具を含むデータを収集可能です。commissureが開発する触覚センサを組み合わせることで、時間同期された接触状態も含めて学習データを収集できます。

    ロボットハンドのプロトタイプ

  2. 利用目的から逆算した計測設計
    「データを取得すること」自体を目的とせず、対象工程、学習・分析の用途、成功条件、取得回数、作業条件のばらつきを事前に整理します。計測後に不足が判明するリスクを抑制するため、必要な映像、動作、グリッパー状態と追加センサーの要否を計測前に設計します。

  3. 同期済みデータと品質評価
    取得した映像、位置・姿勢、グリッパー状態を時刻で同期させ、欠損、計測失敗、条件の偏りを確認します。顧客には計測計画、同期済みデータ、品質評価、分析レポートが納品され、ロボット実装へ進むために不足する条件が提示されます。

  4. 挙動生成・制御・実装への接続
    データ取得後の結果に応じて、学習データの追加加工、挙動生成、ロボット制御、実機検証、受入条件の設計まで個別に支援します。現場施工、安全対策、保守が必要な案件では、ロボットSIerや機器メーカーと役割を分担して進めます。

支援の流れ

  1. 対象工程の選定: つかむ、置く、差し込む、整列するといった候補から、データ利用目的と成功条件を確認します。
  2. 計測計画の作成: 取得項目、作業条件、回数、現場動線、データの取り扱いを設定します。
  3. 現場でのデータ取得: UMIデバイスを用いた人の作業デモンストレーションを収集します。
  4. 同期・加工・品質確認: 取得データを時刻同期し、欠損と条件の偏りを確認します。
  5. 分析と次段階の判断: 分析レポートに基づき、追加取得、モデル開発、ロボット実装のいずれに進むかを決定します。

対象となる企業・組織

  • 製造業の生産技術・研究開発部門: 既存工程のロボット化に向け、最初に取得すべき作業データを明らかにしたい企業

  • ロボットSIer・機器メーカー: 顧客現場のデータ取得と品質確認を、実装前の共通工程として組み込みたい企業

  • 大学・研究機関のロボティクス研究チーム: 実環境の作業データを収集し、学習手法やロボット構成の検証に利用したい組織

CTO 堀江新氏のコメント

CTO 堀江新氏

「PhysicalAIの基盤モデルが高度化していく中で、教示データの品質や多様性がより重要になってきています。UMI形式のデバイスはテレオペレーションではデータ取得が難しい現場でも忠実度の高いデータを取得可能です。身体性や触覚の理解に基づく設計思想を反映し、現場に寄り添ったデータ取得実現していきます。」

今後の展開

commissureは、本サービスで得た計測・品質評価の知見に基づき、作業別のデータ仕様、品質基準、再現手順を整備します。触覚情報の取得が必要な工程では触覚センサーを組み合わせ、データ取得からデータの品質評価・クレンジング・挙動生成・制御・ロボット実装まで支援範囲を広げる計画です。

株式会社commissureについて

株式会社commissureは、東京大学で培われた触覚・身体情報学の研究を基盤に、ロボティクスとフィジカルAIの社会実装に取り組むスタートアップです。独自カリキュラムによる人材育成、要件に合わせた技術設計、現場での触覚データ取得、現場環境に合わせた実装まで、企業や研究機関の課題と段階に応じ、開発から導入まで幅広く支援しています。

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