組込み向けデバッガ「PALMiCE4」がZephyr RTOSに対応、スレッド挙動の可視化を強化

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PALMiCE4がZephyr RTOSに対応しデバッグ効率を向上

組込み向けデバッガ「PALMiCE4」は、リアルタイムOS「Zephyr RTOS」への対応を2026年3月より開始しました。この対応により、Zephyrのスレッドやオブジェクトの状態可視化が可能となり、デバッグ効率が大幅に改善されることが期待されます。IoTおよびエッジAI分野でのZephyr採用拡大に対応し、実用的なデバッグ環境を提供します。

背景

近年、IoT機器やエッジAI機器の高度化が進む中で、軽量かつ高機能なRTOSであるZephyrの採用が増加しています。しかし、マルチスレッドやマルチコア環境でのデバッグは複雑化しており、RTOS内部のスレッドやオブジェクトの状態把握が困難であることが課題となっていました。特に、複数のスレッドが相互に待機する「デッドロック状態」は、バグの原因特定を非常に困難にする要因の一つです。

Zephyrデバッグ機能の概要

今回のPALMiCE4のZephyr RTOS対応により、Zephyrのカーネル内部状態が解析され、以下の情報が可視化されます。

  • スレッドの状態(RUN/WAIT/優先度/待ち要因)

  • スレッド遷移のグラフィカル表示

  • イベントおよびAPI呼び出しの実行履歴

  • スレッドごとのCPU占有率(アイドル・割込み含む)

  • セマフォ、FIFO、メモリスラブなどのオブジェクト状態

  • スレッドごとのスタック使用量および最大使用量

これにより、デッドロック発生時の原因特定が容易になり、スレッド遷移、割込み、API呼び出し、イベント発生を時系列でグラフィカルに表示することで、動作の追跡や解析が効率化されます。

PALMiCE4のデバッグ画面全体

PALMiCE4の主な特長

  1. RTOS内部の完全可視化
    スレッド、イベント、ミューテックスなど、従来把握が困難だったカーネル内部の状態を直感的に確認できます。これにより、不具合の原因特定が大幅に効率化されます。

  2. スレッド挙動の時系列解析
    スレッド遷移とAPI呼び出し等の履歴を時間軸で可視化します。「なぜその動作になったのか」を追跡でき、設計通りの動作検証が容易になります。

    PALMiCE4のスレッド遷移表示画面

  3. パフォーマンスの定量評価
    CPU占有率や実行時間を可視化し、システムの余裕度やボトルネックを把握できます。これはリアルタイム性能の最適化に貢献します。

  4. マルチコア環境でのRTOSデバッグ
    複数コアでそれぞれ動作するスレッドを独立して解析し、コア間の相互作用を含めたデバッグが可能です。

PALMiCE4のスレッド一覧表示画面

PALMiCE4について

PALMiCE4は、Arm社のローエンドからハイエンドまでの各種コアに対応したデバッガです。基本的なデバッグ機能に加え、組込みLinuxやRTOSが動作するプログラムのデバッグにも対応しています。特にマルチコアで動作するプログラムにおいて、コアの同期制御や独立したデバッグ機能、コアの実行状態を可視化する機能により、従来対応が困難であった不具合の短時間での解析を支援します。

提供方法

本機能はPALMiCE4の標準機能として提供され、オプション製品の購入は不要です。ユーザサポート制度に加入している場合、ソフトウェアのバージョンアップを通じて提供されます。

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