エコシステムの概要と主要パートナー
本エコシステムには、初期IP提供パートナーとしてArm社、Arteris社、eMemory社、M31 Technology社、Silicon Creations社、Trilinear Technologies社が参加しています。また、半導体解析技術パートナーとしてproteanTecs社が参加し、チップレットの採用リスク低減とスムーズな導入を支援します。
ケイデンスはSamsung Foundryと協力し、同社のSF5Aプロセス上でパートナー提供のIPを事前統合したCadence® Physical AIチップレットプラットフォームを基盤とした半導体試作品のデモを構築します。
Arm社との協業拡大
ケイデンスとArm社は、長年の協業関係をさらに拡大し、フィジカルAIおよびインフラAI分野のイノベーション加速に取り組んでいます。今後、ケイデンスはArm® Zena™ Compute Subsystem(CSS)やその他の主要IPを活用し、Physical AIチップレットプラットフォームおよびChiplet Frameworkを強化します。これにより、自動車、ロボティクス、ドローンの次世代エッジAI向け処理要件に加え、データセンター、クラウド、HPCで必要とされる標準I/O・メモリチップレットのニーズに対応します。
チップレットフレームワークと技術的特徴
ケイデンスは、仕様に基づく自動化により、自社およびサードパーティパートナーのIPにチップレット管理・セキュリティ・安全機能を組み合わせたチップレットフレームワークアーキテクチャを構築しています。このアーキテクチャは、Arm Chiplet System Architectureや将来策定されるOCP Foundational Chiplet System Architectureなどの標準に準拠し、エコシステム全体での広範な相互運用性を確保します。
生成されたEDAフローは、Cadence Xcelium™ Logic Simulatorによるシミュレーションや、Cadence Palladium® Z3 Enterprise Emulation Platformによるエミュレーションをシームレスに実現し、物理設計フローではリアルタイムフィードバックによる効率的な配置配線プロセスを可能にします。さらに、ケイデンスのUniversal Chiplet Interconnect Express™(UCIe™)IPは業界標準のダイ間接続を実現し、LPDDR6/5X、DDR5-MRDIMM、PCI Express®(PCIe®)7.0、HBM4など最先端インターフェースの迅速な統合を可能にする包括的なプロトコルIPポートフォリオを提供します。
Cadence Physical AIチップレットプラットフォームの一部であるベースシステムチップレットの初期プロトタイプは、ケイデンスのチップレットフレームワーク、UCIe 32G、LPDDR5X IPを組み込み、すでにシリコンでの完全な検証を完了しています。
パートナー各社のコメント
各パートナー企業は、ケイデンスの新しいエコシステムへの期待と貢献についてコメントを寄せています。
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Arm社:フィジカルAI分野の進化とチップレット導入の加速、設計の複雑性軽減に貢献するとしています。
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Arteris社:高帯域幅でスケーラブルなインターコネクト技術を活用し、次世代マルチダイシステムにおけるチップレットアーキテクチャの採用を促進するとしています。
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eMemory社:高機能OTP製品とケイデンスのSecuryzr™ Root of Trustを組み合わせることで、強固なハードウェア基盤を提供し、ダイ間のセキュリティと安全性を確保するとしています。
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M31 Technology社:車載グレードIPの実績を活かし、業界最高水準のMIPI PHYインターフェースIPを提供し、先進的なチップレットソリューションの迅速な実現を支援するとしています。
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proteanTecs社:ケイデンスのチップレットプラットフォームと提携し、あらゆるチップレットに同社のテレメトリを組み込むことで、安全性・信頼性・電力効率に優れたフィジカルAIを実現するとしています。
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Samsung Electronics社:ケイデンスとの協業を通じて、同社のSF5A技術の優位性を実証し、Chiplet Spec-to-Packaged Partsエコシステムの拡大を目指すとしています。
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Silicon Creations社:高性能・低ジッターPLLや専用クロックソリューションの提供を通じて、次世代チップレット設計の加速に向けて協業を拡大するとしています。
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Trilinear Technologies社:先進的なDisplayPort IPを提供することで、高性能なビデオ接続を実現し、柔軟で将来対応型のディスプレイソリューションをチップレット・エコシステムに提供するとしています。
ケイデンスのコメント
ケイデンスのCompute Solutions Group担当バイスプレジデントであるDavid Glasco氏は、「ケイデンスの新たなチップレット・エコシステムは、チップレット活用の推進における重要なマイルストーンです。マルチダイやチップレットベースのアーキテクチャは、設計の複雑化が進む中で、より高い性能・コスト効率を達成するために不可欠となっています。ケイデンスのチップレットソリューションを用いることで、コスト最適化、カスタマイズ性、構成の自由度を実現できます。幅広いIPポートフォリオとSoC設計の専門知識に、本エコシステムのパートナー企業の事前統合・事前検証済みIPを組み合わせることで、チップレットベースのソリューション開発を加速し、お客様がチップレットを活用した設計目標をスムーズに、確信を持って達成できるよう支援します」と述べています。


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