AIドリブン開発基盤「AI-Driven Software Development Platform」の運用開始
ソフトウェア開発の全工程をAIで自動化する開発基盤「AI-Driven Software Development Platform」が開発され、運用が開始されました。この基盤は、大規模言語モデル「Takane」と、大規模システム開発向けAIエージェント技術を組み合わせたものです。
AIエージェントが企業や公共団体が所有する複雑な大規模システムを理解し、要件定義から設計、実装、結合テストに至るまで、ソフトウェア開発の各工程を協調して実行します。これにより、人が介することなく全工程の自動化が実現されます。

医療・行政分野への適用と生産性向上効果
このAIドリブン開発基盤は、富士通Japan株式会社が提供する医療および行政分野の全67業種の業務ソフトウェアについて、法改正に伴う改修に2026年度中の適用を目指しています。2026年1月からは、2026年診療報酬改定に伴うソフトウェア改修への適用が開始されました。
2024年度の法改正に伴うソフトウェア改修の実証実験では、約300件の変更案件のうち1案件において、従来のソフトウェア開発手法で3人月を要していた改修期間が4時間に短縮され、生産性が100倍に向上する効果が確認されています。
この基盤の活用により、法改正や制度改定に伴うソフトウェア改修スピードが大幅に向上し、システム確認の負荷が軽減されます。これにより、患者や住民、顧客サービスの向上につながる施策やサービスの企画・開発に時間を創出できると考えられます。
AI-Ready Engineeringと今後の展開
AIドリブン開発において、AIが既存システムを正確に理解し、高信頼な自動化を実現するため、「AI-Ready Engineering」が重要視されています。これは、資産や知識を整える工程であり、「AI-Driven Software Development Platform」と合わせてAIドリブンなシステム開発を加速させます。

また、エンジニアの働き方変革を推進し、AIやデータを活用して複雑な経営課題や事業課題を解決するFDE(Forward Deployed Engineer)が強化されます。これにより、従来のシステム開発のあり方が人月ベースから顧客提供価値ベースへと変革されることが期待されます。
今後、2026年度中には「AI-Driven Software Development Platform」の適用範囲を金融、製造、流通、公共などの幅広い分野へと拡大する予定です。さらに、顧客やパートナー企業向けにもサービス提供を開始し、システム開発のあり方をAIドリブンへと変革し、業界のスタンダードを目指していく方針です。
各社からのエンドースコメント
本取り組みに対し、複数の企業や団体から期待の声が寄せられています。
IDC Japan株式会社の眞鍋 敬氏は、AIエージェントのビジネス活用と既存システムのモダナイゼーションが加速する中で、今回の発表がレガシー資産の維持・保守に対する現実的なパスとなり、ソフトウェアエンジニアリングの労働集約型からの転換を促すものだと評価しています。
株式会社オプティマの梶谷 伸二氏は、AIを活用して上流から下流までを自動化し、検証工程までAIに担わせる構想に感銘を受け、特に毎年複雑な制度変更が発生する業務パッケージを対象としている点に大きな可能性を感じていると述べています。
川崎重工業株式会社の中谷 浩氏は、単なる開発効率化に留まらず、企業が長年培ってきた業務知識や設計思想を次世代へ継承・進化させる重要な挑戦と受け止め、AIが人の判断や創造性を支える基盤として機能する点に大きな意義を感じるとコメントしています。
キユーピーデジタルイノベーション株式会社の松田 康氏は、曖昧さや抜け漏れを自動で修正するMulti-layer Quality Controlに大きな期待を寄せ、AI自ら品質を監査し、自律的に工程をやり直す仕組みがシステム開発の信頼性を劇的に高めるものだと確信していると述べています。
近鉄情報システム株式会社の有司 順一氏は、複雑な法令理解や膨大な過去資産の解析、現場の暗黙知の把握といった労力をマルチAIエージェントが劇的に変え、短期間で高品質なプロダクトを仕上げることが可能になると期待を表明しています。
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の上野 由美氏は、エンタープライズシステムの開発において、要件定義からテストまでをワンストップで完全自動化するこの取り組みが業界に革新をもたらす画期的なものであり、新たな開発のスタンダードとなることを確信しているとコメントしています。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
お問い合わせフォーム: https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532/


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